阪急電車

2008年2月2日 読書
新聞の広告欄に載っていて(そればっかりだ)、ちょうど図書館の新刊コーナーにあったので。

阪急電車に乗り合わせた人々の色々なエピソードを紡いだ一冊。
面白かった!

コバンザメのような女性社員から彼氏を寝取られ婚約破棄された翔子が胸のすくような一撃を食らわした後、電車で乗り合わせた中年女性と出会い心を整理させていく話、DVの彼氏となかなか別れられない大学生や車内で出会った男女の話…どれもほんわかしたいい話。

中でも、高3の受験生・えっちゃんと社会人の彼氏のエピソードが良かった…不覚にも涙腺ゆるみました(まただよ)

レベルの高い志望校を望めず、教師から失望の言葉を投げられ自暴自棄になったえっちゃんが、社会人の彼氏の前で張り詰めていた気持ちをゆるませるところの場面がー!

泣くえっちゃんに彼氏が、悦子の泣き方は上の子の典型だという。声を出さずにしゃくりあげる泣き方が…負けるわ、と。

そういえばそうだなと、長女である私は気がついた。妹は人前で思いっきり声をあげて泣くけれど、私はそんなことしたことない。いつもベッドで枕に顔をうずめてしゃくりあげるように泣く。もしくはお風呂に入っている時。誰にも涙の跡を悟られないように。

彼氏ー、わかってるねー。

しかし…私も10年、電車通勤してるけどこんな小説の中のような出会いなんて一回もないんですけど…爆睡して乗り越したことは何十回もあるけどさっ。
新聞の広告欄に載っていて、なんとなくひかれるものがあり会社帰りに書店で立ち読み(笑)

…迂闊にも、泣きそうになりました。

この主人公のすーちゃんは私のことだよ正に!!ってくらい、一つ一つのエピソードに共感しまくり。

私の老後はどうなるんだろー、とか、老若男女さまざまな人から受けるプチセクハラな言葉についてとか、アイロンをかけていてふとこの行為が「ちゃんとしている自分」っていう感じがして「誰かにこの姿を見てもらいたい…」と思ったりすることとか。

何気ない感情をすくいとってネタにするこの作者はスゴイ。
そして、いろいろな場面で「やり過ごす」のではなくきちんと考える「すーちゃん」に感動。見習いたいぞー。

独身30代女性にぜひぜひお薦めの一冊です。

良い本にめぐり合って満足して家路につき、深夜、フジ23時からの「スリルな夜」とテレ朝「未来講師めぐる」を見て大爆笑し、更に満足して眠る。

スリルな夜はいいよー。おぎやはぎってあのルックスからして受け付けられなかったけど、この番組の矢作は面白い。メンバーのイケメンたちとの息もぴったりでドッカンドッカン笑えます。たまに森三中も出るんだけど、もー最高。

めぐるもクドカン脚本と深キョンが噛み合ってて面白い。深キョンはああいうキャラがハマリますねー。勝地涼ってコも上手いなぁー。
吉野万理子を読むのは「秋の大三角」に続いて2冊目。
 読み始めた途端、すうっと吉野万理子の心地よい世界に入り込めます。私の苦手な短編集にも関わらず、全部の話が面白くてあっという間に読了。

この作者、好きですねぇ〜。ままならない人生にどう折り合いをつけていくかということを考えさせられるんだけど、ほのかに希望が持てるようなラストがいい。元気が出る小説です。

同時に小池真理子の長編「望みは何と訊かれたら」も読んだのですが、こちらはちょっと好みではなかった…。安保闘争の頃の話なんだけど、私が過ごしてきた時代とあまりに違うせいか、主人公にまったく感情移入できなかった…。その頃を生きた人たちにとっては、共感できる世界なのかな。しまいには
「偉そうなことを言ってる割に、最後には結局実家の親元に帰って世話になるのねこの沙織ってコは…」
とまで思ってしまった。

夢を与える

2007年3月1日 読書
少し前に読売新聞の書評欄でキョンキョンが取り上げていた一冊。図書館の新刊入荷コーナーにあったので迷うことなく借りた。

読みやすくて、ページをめくる手が止まらない。序章からしてどんどん惹きつけられる。文体がとてもシンプル、でも的確に描写されているから情景が目に浮かぶ。

綿矢りさ、すごい。上手い。

小池真理子の卓越した文章力も読んでいてすごく気持ちいいんだけど、この本はまた違った心地よさを感じる。

フランス人の父と日本人の母から生まれた夕子が子どもモデルとして芸能界に入り、様々な出来事に揉まれながら成長し、破綻するまでの話。
「無理やり手に入れたものは、いつか離れていく」
という夕子の言葉が全てを物語っていて、印象に残った。

長編だけど3時間ほどで読了。
無性に本が読みたくなり、書店をウロウロして何気なく手に取った一冊。

チャールストンでティーショップを経営する36歳独身のセオドシアが、殺人事件に巻き込まれ素人探偵さながらに事件を推理し解決していく…といったミステリ。

ティーショップが舞台なだけに、色々な種類のお茶や効能が紹介され、紅茶好きな人は楽しめます。
ただ、推理物としては…うーむ、全然練られてないなー。はっきり言って犯人が誰かということはどうでもいいのです、この本。

チャールストンの街並や、セオドシアを取り巻く仲間との会話等を楽しむ目的で読みましょう。
決して嫌いな世界ではないし、続編もたくさん出ているようなので読んでみたいです。
昨年の直木賞だか芥川賞だかの受賞作。

この三浦しをんさんのエッセイを読売新聞で読んで興味が湧き、図書館でコレを借りて読破したのですが…。

うーむ…どうでしょうー(←長嶋茂雄風)

もうひとひねり欲しいような、世界観があまり好きじゃないような。

同時に「三四郎はそれから門を出た」というエッセイ集も借りたのですが、こちらはなかなか楽しめます。っていうか友達になりたいとコレ読んで思った。同じ学年みたいだし。

夜を欺く闇

2006年9月18日 読書
…ほんとは文庫本を読破したのですが…マンガ版しか出てこなかったので…。

ジャスミン・クレスウェルの推理サスペンスもどきハーレクイン。犯人はすぐにわかるけれども、ページをめくる手が止まらないくらい、なかなかドキドキさせられました。ヒロインのクレアもカワイイし、ベンも理想のビジネスマンで素敵。

推理物、たのしーなぁ。秋の夜長、ずーっと本を読んでたいくらい。

天使のせせらぎ

2006年7月2日 読書
じめじめして蒸し暑く、何もする気がしないこんな日は本を読むに限ります。

今日はこれを読破、はい、ハーレクインでございます(笑)

とは言っても、歴史小説を読んでいるかのよう。時は1867年のアメリカ開拓時代の頃のお話。「大草原の小さな家」の頃って言い換えるとわかりやすいかな。
女1人で農場を切り盛りするディーと大牧場の主・ルーカスの物語。

水の確保にも一苦労するという、アメリカにもこんな時代があったんだなぁと不思議な気持ちになった。
ロマンスシーンは暑そうでちょっとムードに欠けてなんだかなーって感じだけど、まぁまぁ楽しめました。

しかし蒸し暑い…。田んぼが近くにあるため、外はカエルの大合唱。ほんっとに一晩中うるさいんだから!この時期はテレビのボリュームを上げるくらいなんだから。ここまでうるさいと一種の騒音問題よ?(笑)寝る時は耳栓してます。
「ハーレクイン」ものなるジャンルがあるのは知っていました。
町の図書館にすら、あの独特のサイズの本がズラリと並んでいますし。
でも今まで全く興味がなかったんです。なぜか。

きっかけは、図書館で「砂塵きらめく果て」というタイトルの本を借りたことから。
読んでみてびっくり、これハーレクインじゃないの!!
あの独特サイズじゃなくて普通の…アメリカの本の分類のところにあったし、カバーには歴史小説って書いてあったから気づかなかったよー…と言いつつも、あまりの面白さに毎夜、寝る前に少しずつ読み進めていくのが楽しくて楽しくて。

ハーレクイン好きさんのHPで調べてみると、やはりこれはノーラ・ロバーツ(売れっ子作家さんらしい)作品の中でも傑作らしい。

異文化を理解できるし、ヒロインとヒーローがまー魅力的。ラヴ・シーンもたくさんあるけれど、ロマンティックで清らかささえ感じるほど。
小池真理子作品で、いやというほど生々しい描写を読んでそういうシーンはちょっとお腹いっぱい気味だったんだけど、外人さんのそういうシーンはいやらしさがなくていいですわ(笑)

すっかりハマって、本屋でこれを買ってみました。
これもアタリー!!
ヒロイン・マギーを愛する画廊オーナーのローガンが、もう素晴らしくステキー。
お気に入りのセリフは、旅行先のパリでマギーにダイヤとルビーのチョーカーをプレゼントする際に言った

「パリの思い出の品ってところかな」

ってセリフがねー!もう、去年わたしもパリに行ったからなんか情景が目に浮かんできちゃって、いやーあんなステキなところでこんなこといわれちゃったらねー、うっわー男性とパリ行きたい!
なーんてじたばたしちゃいました(笑)

これも読み終えて、今日またノーラ作品を買ってきちゃいました。続編ではないですが…。ハーレクイン作家さんってたくさんいるみたいだけど、どの人が面白いのかいまいちよくわからなくて、ついついノーラ作品を買っちゃうのよね。

リンダ・ハワードが評判良さそうなんだけど…面白いのかな?
普段まとまった時間が取れず、なかなか本が読めない私ですが、今日はじっくりとこの一冊を読破しました〜。

カレッサという少女が数奇な運命に翻弄されながらも、灼熱の砂漠で生き抜き成長してゆく話。

「ハリー・ポッター」や「ナルニア国物語」は読んだことはないけれど、きっとそれらに匹敵するくらい壮大でファンタジックで冒険ロマンに満ち溢れている作品でした。うん、映画化したらきっと面白いだろうなぁ。

それにしても、翻訳家って面白そうな仕事だなぁ。
表紙を見るだけで、うっとりしてしまいます。
初めて山咲千里さんをテレビで見たとき、コルセットしてるんじゃないかと見まがうほどくびれたウエストと、それに反比例するかのようなふわふわマシュマロのようなバストに釘付けになったものです(私はオヤジか)
そして普段ご使用のお化粧品を公開してたのだけど、高級品ばかりかと思いきや、キャンメイクなどプリプラなものも沢山持っててびっくりしたのと同時に、親近感が湧いたのよね〜。

以前、パリに旅行する時に機内で読もうと何気なく成田の書店で購入した本。
今でも時々、読み返しているのですが。

美容やおしやれのことなど、赤裸々に山咲さんの話が綴られているのですが、1番影響を受けたのはコレ。

「月に20万円で暮らせないなら、それは20万円が自分で扱えない証拠」
20万を切り盛りできない人は、たとえ30万あってもこれでは足りないと感じるのだそうだ。

確かにそうかもしれない。私なんて丼勘定もいいところだし。
今月も、あと4,000円くらいでやっていかないといけないんですが(泣)いかんですね。
昨日も、いつも使っている化粧水(雪肌精エクストラ)を買おうと思ったけれど、この山咲さんのお言葉を思い出して今回はソフィーナ・ライズにしときました…。
例によって図書館で借りてきて読破した1冊。

イギリスで暮らしている日本人女性の日常と食について綴られていて、日本とヨーロッパ圏の食文化の違いが理解できた。

よくテレビで外人が夕食を食べてる光景が映ったりするけど、たいてい2皿くらいの質素なもので、外人さんって少食だなぁ〜なんて感心していたんだけど、この本を読むと、イギリス人は食自体にあまり欲がないらしいのね。3食同じ物でも全然OKらしい…。

対して日本人は色々な種類を少しずつ食べたいタイプだそうで。
確かにそうだわ〜。

そうそう、大宮の返金が始まっているそうでもうドキドキです…。
午後に郵便局のおじさんが
「書留で〜す」
って来たからてっきり返金だと思って
「イヤ〜っっ!!来ちゃったよぉ〜!!」
ってギャーギャー騒ぎながら受け取ったら、accessかぞチケットでした…紛らわしいなーもう!!

今日こなければ大丈夫なのか?取れてるのか?

秋の大三角

2006年2月18日 読書
図書館の新刊コーナーに置いてあって、何気なく手に取った一冊。

読みやすくて一気に読破。
あまりに読みやすいし中学二年生の女の子が主人公だから、一瞬「もしかしてこれ、児童書?」と思ったのだけれど、新潮社の新人賞受賞作だそうだから、大人向けなのか。

主人公・里沙を通して中学生の頃の情景や感情を思い出させてくれる。
親の不仲に思春期特有の繊細な心を痛めたり、友達との微妙な距離に思い悩んだり…ああ、そうだったなぁ…私もそういう時期を乗り越えてきたんだよなぁ…なんて。

といっても、ただの青春小説というわけではなく、SFちっくに物語は進んでいってドキドキさせられ、横浜の実在の店名や駅などがリアルに使われていて面白い。

何よりこの物語の世界観が好きー。私とぴったり波長が合う。この方の小説、もっと読んでみたいなーと心から思いました。

読破しました

2005年11月5日 読書
なかなか読み応えがありまして、読み終わったのは金曜日の夜中2時すぎでした。

文体や話の持っていきかたは本当に小池真理子さんとよく似てらっしゃるんですが、何かが違う。

夫と死別した40代のライター弥生と年下の恋人、昔の不倫相手、突然現れた浄人との恋を軸に、さまざまな年代の恋を絡めて織りなされる物語。

ラストの展開にはおおいに驚くとともに、あまりに関係性がややこしくなり思わず相関図まで書いてしまったほど(笑)のめりこみました。

しかし弥生のような奔放な女性っているのかなぁ〜。まぁうちの会社でも不倫してる人なんてざらだしね…。私はそういう人たちとはあまり関わりを持ちたくないタイプですが。

しかし…やはり長編はいいっ!物語の世界にどっぷりと浸れますよ。

本が好き。

2005年10月27日 読書
秋の夜長、やはり本を読みたくなりますね。

しかし私、最近は軽い本しか読めなくなってしまったの…。
新規開拓したいんだけどねー、川上弘美も角田光代も宮部みゆきも、手にとってパラパラ読んでみるんだけど

「…つまんなそう…」

いまいち読む気になれない。小池真理子に割とハマッてたけど、ちょっとお腹いっぱい気味なのでそのダンナ様である藤田宜永氏に初挑戦。

さすが夫婦、文体が非常によく似てます(笑)ボキャブラリーが豊富で、音読したら気持ちいいだろうなぁと思わせる流麗で骨格がしっかりした文体。嫌いじゃありません。ただのメロドラマ小説に成り下がらないのも、この文体があるからこそ。

小池真理子が女の視点からとらえた小説で、藤田氏は男の視点から見た小説ってところかな。

『流砂』は長編小説ですが、どんどんページをめくらせてくれるから一気に読みました。気がせいて、ラストを先に読みたくなっちゃうんだけど、そこはガマンガマン。

金沢の冬の情景描写の上手さに唸りながらじっくり読むといいですね。

やっぱり私は短編小説より長編の方が好きだなぁ。

千円贅沢

2004年11月13日 読書
昔から中野翠さんのコラムが好きでよく読んでいたのだけれど、ここ数年はすっかり活字離れで、ほんとうに久しぶりに手に取りました。
一気に読む。

…あれ?中野さん、丸くなりました?

文章が穏やかで柔らかくて、すっかりオバサマといった風。
今までの著作から感じた、とんがっててエネルギーに満ち満ちている、といった作風ではないのね。

でもこういう感じはけして嫌いではない。というか、むしろ好き。
やはり人間、年を取るごとに丸くなっていくものなのね…たかみーもそうだし。
と、しみじみ思わせられる一冊でした。